🎄 こちらは「Teacher Teacher Advent Calendar 2025」の参加記事です。
子育てのラジオ「Teacher Teacher」というPodcast番組リスナーによるAdvent Calendar企画です。「Teacher Teacher」とは、元教員はるか先生がご本人の経験と、多数の文献から得た教養と知見で、 子育てのお悩みを納得いくまで解決するPodcast番組。新米パパの仁志さんとの掛け合いもとても微笑ましく、子育てに悩みがある人にもない人にもおすすめです。
さてさて、今回は日本にいる友人・知人から、「インドの小学校生活って、どんなかんじ?」と聞かれることが多いので、今回はその実態を具体的にご紹介。日本の小学校にはあって、インドの小学校にはないもの5選を切り口に、インドの小学校の様子を覗いてみたいと思います。
*比較対象についてのご注意*本記事でご紹介する「インドの学校」に関する情報は、筆者の子どもが現在通っているデリー近郊地域のとある私立インターナショナルスクールの実態に基づいています。したがって、これは「インドのすべての学校」の状況を示すものではありません。あくまで日印の教育文化の一つの具体的な比較事例としてお読みください。日本の学校にしても、筆者の小学校時代の記憶が主となります(古すぎたらすみません!)。ご了承いただければ幸いです。
教科書がない!ワークシートとプリント学習の自由さ
日本の学校育ちの私にとって、「教科書がある」のは当たり前、それに対しインドで小学校に通うわが子の場合、教科書を持っていません。教科書を使わずに授業を受けています。学習した内容はどこかというと、ワークシートとノート、そして本人の頭の中(にあるはず)。「何を習ってきたのか?」「細かな用語や定義などの確認をどうすればいいのか?」と、親としては戸惑いも多いです。
これは裏を返せば、細かな学習内容は先生が授業で使いやすいものをと柔軟にカスタマイズして、子どもたちの授業に使っていると考えられます。固定化された教材にとらわれず、教育の柔軟性があるとも言えるのかな、とポジティブに捉えるようになりました。
また、何を習ってきたのかを子どもから家で話をしてもらうというコミュニケーションが、子どもが自分の言葉で理解を再確認する学習の一環になっているのかもしれない、と考えています。
「時間割表」がない!
私が小学校に通っていたうん十年前、教室の壁やランドセルの内側に、固定の「時間割表」が貼られていたものでした(今もそうですか?)。当時の私はそれを見て、明日の準備をしたり、親と「明日の持ち物はこれだね」と確認できたりする安心感がありました。
子どもの学校では、日本のような学期を通じて変わらない時間割表がありません。代わりに、毎週スケジュールがアプリで共有されます。体操服で登校する体育の日も、この「ウィークリースケジュール」を見て判断します。プリントすればいいと思いながらも、紙とプリンターの節約と私が無精なため、毎回自分でアプリを開いて、確認してます。これでは、自主性が育たないなぁと思いながらも、ずるずるとここまで来てしまいました。
このウィークリースケジュールには、その教科でどんな単元を習うのかも簡単な説明が添えられています。これは親にとって、子どもがどんなことを学習しているかを知ることができるので助かってます。そして、このシステムは、学校側の「柔軟性」の表れなのかな、と捉えてます。
例えば、こちら、とある週の予定表。だいたい、何曜日に何があるかと言うのは、なんとなくルーティンにはなってる気もしますが、毎週更新されるので、その都度確認して、前日に準備をします。ついでに、連絡帳もないので、やっぱりこれを見て、Swimmingがある日は水泳に必要なものを準備します。特別な準備が必要な時は、先生からアプリやメッセージアプリで連絡があります。

- 柔軟な対応: 授業の担当者や内容、クラスの進捗に応じて、固定の時間割に縛られず、柔軟にカリキュラムを変更することが可能です。
- 迅速な情報共有: 従来のような掲示物ではなく、デジタルで親に直接情報を共有することで、急な変更や連絡も迅速に伝達されています。
これは、学校運営において安定性よりも柔軟性を優先していることの表れだと捉えています。またしても柔軟性!
授業と授業の間に「休憩時間」がない!
「時間割表がない」ことに加えて、日本の小学校で当たり前だった「授業と授業の間の休み時間」もありません。
- 教室移動がない場合: 次の授業が同じ教室であれば、そのまま違う授業が始まります。
- 教室移動がある場合: 授業と授業の間の時間は、次の教室への移動時間になります。
つまり、日本の学校のように、授業と授業の間に友だちと遊ぶ時間はありません。トイレについては、授業中でも必要な時に先生に伝えて、行くことができます。
一時帰国時に日本の小学校に体験入学させてもらった際、子どもが「日本の小学校は授業が一個終わったら休憩があるから、友だちと遊べたり、次の授業の時に頭を切り替えられるのがいい」と言っていたのが非常に印象的でした。
休憩を挟んでリフレッシュ時間を設ける日本のスタイルに対し、この学校では途切れなく学習を続けることを優先し、集中力の持続を重視しているのかもしれません。授業と授業の間の休憩時間は無いですが、朝と昼の給食ではお友だちとおしゃべりする時間はあるようですよ。
給食当番も掃除当番も「ナシ」!
わが子の通う学校、生徒が清掃や配膳を行う当番制度はありません。
- 給食のスタイル: 給食はありますが、選択制です。給食を申し込んでいる子と、家からお弁当を持参する子が混在しています。さらに、給食を利用する子の中にも、ベジタリアン(菜食)とノンベジタリアン(肉も食べる)の子がおり、献立が分かれています。
- 専門スタッフによる対応: こうした多様性に対応するため、給食の準備・配膳は専門のスタッフの方々が担当されています。
- 清掃: 掃除当番もなく、時間割に清掃の時間もありません。お掃除スタッフの方々が学校の清掃を担ってくださっています。
生徒が当番活動から解放されているということは、裏を返せば、子どもたちが学習活動に集中できる時間を最大限に確保しているとも言えます。役割を専門化し、効率性を高めているとも言えます。また、「奉仕の精神」や「協調性」は、授業内のグループワークや課題などで補っているのかもしれません。インドというお国柄なのか、学校に限らず自分でごみを拾ったり、自分で掃除するという意識は希薄なところはあると感じます。

日本の小学生の象徴「ランドセル」がない!
日本の小学生の象徴といえば、多くの人がランドセルを思い浮かべるのではないでしょうか。しかし、子どもの通う学校には学校指定のバッグと言うのはありません。
入学時に通学バッグについて質問した際、「A4サイズが入るリュックであれば、何でもいい」との回答でした。生徒たちはそれぞれ自分の好きなデザインや、持ち運びやすい自由なリュックで登校しています。
これは、カバン一つとっても、学校が細かな規則を設けず、保護者や生徒の利便性を優先している姿勢の表れだと感じました。
まとめ
ここまで、日本の小学校に合って、インドの小学校にないものを5つ、見てきました。
これらすべての項目に共通しているキーワードは「柔軟性」と「おおらかさ」かなと思います。
給食当番や掃除当番がないこと、毎週時間割が変わることから、この学校が伝統的な統一感よりも、生徒個人の選択と実用性を重視していることがわかります。
その根底にあるのは、日本社会が重んじる「型(かた)」とは真逆を行く考え方です。この文化的な違いは非常に興味深く、インドでの学校生活はいつも私に新たな視点を与えてくれています。
また、この柔軟性は、長期的な計画よりも状況に応じた役割遂行を大事にする、インドならではの学校運営の工夫とも言えます。急な休校要請など、不可避な変更が多い環境下で、固定された仕組みに縛られずに最善を尽くすための対応策なのです。実際、前日に急に「明日の学校はお休みになりました」や「明日はオンライン授業になります」と連絡があることもあります。
いずれの学校も、目指すところは「子どもの健やかな成長」で共通していると思います。ただ、その目的を達成するためのアプローチやシステムが、文化や社会環境の違いによって大きく異なっている点が、何よりも興味深いと感じています。


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