教育の思考ラボ Vol. 0: なぜこの「ラボ」を立ち上げたのか

教育の思考ラボ

シリーズ立ち上げの原点

この「教育の思考ラボ」を立ち上げるきっかけとなったのは、私自身のインドでの駐在帯同生活と、そこで直面した子どもたちの学校選びでした。

海外での子女教育を考え始めるまで、私にとって「教育」とは日本の学校教育制度の中で完結しているものでした。しかし、いざ異国の地に身を置くと、教育というものを日本の枠組みの外からも俯瞰的に捉え直す必要に迫られました。

特にデリーNCR地域では、インターナショナルスクールを選ぶ際、IB(国際バカロレア)や国際ケンブリッジ(CAIE)、あるいはその他のローカルボードなど、実に多様な教育プログラム(ボード)から選択することになります。

英語教育への偏重と「目利き」の必要性

駐在帯同が決まった当初、私も他の多くの保護者と同じように、「せっかくの海外赴任になったのだから、子どもには英語力をつけてあげたい」と強く期待していました。デリーには日本人学校という選択肢がある中でも、「英語環境」を重視するあまりインターナショナルスクールへ傾倒するケースが多く見られます。私自身も例外ではありませんでした。

しかし、インドでの生活の中で、この考え方が次第に変わっていきました。

もちろん、英語力の獲得は海外生活における大きなメリットです。しかし、私たちのインド在住期間は数年と限られています。その後の進路や、さらにその先、子どもたちが世界で伸び伸びと健やかに生きていけるために「英語」という要因だけで判断してしまって本当に良いのだろうか? という疑問を持ち始めました。

ラボが探求するもの

英語環境の学校か否か、という単純な二元論ではなく、その学校が採用している教育プログラムの哲学や、それが子どもたちの思考力や人間性にどのような影響を与えるのかをフラットに評価できる「目利き」が必要だと痛感しました。

この「教育の思考ラボ」は、その目利きを養うために、私が自分自身の視点と探求心と好奇心の赴くまま、以下のテーマを掘り下げていくコーナーとして立ち上げました。

  • 世界の教育ボード(IB、ケンブリッジなど)の持つ哲学と構造
  • 日本の教育の現状と強み、そして課題
  • これからの世界を生き抜いていくために本当に必要な教育とは何か
  • その時々の教育トレンドやニュース

Vol. 0 の公開について

本連載では、まず私の子どもの学校がIB認定校であったという身近な理由から、「IB」を深掘りを始めました(教育の思考ラボ Vol.1: 深掘り!IBの本質と構造)。そのため、Vol. 1が先行して公開されていますが、読者の皆様の中には「なぜ、いきなりIBなのか?」という疑問が生じる可能性があると考えました。そこで、本記事をシリーズの「原点」をお伝えする Vol. 0 として改めて作成し、その背景と思いを明確にすることにいたしました。

この連載(教育の思考ラボ)では、 今後IB以外の世界の教育ボードはもちろん、日本の教育制度についても深く掘り下げていく予定です。

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